いなかにお住まいの方なら「ああ、昔は祭りでにぎわったな。立派なお堂に神様仏様がいたな。」と思う方も少なくないと思います。少子化・高齢化、後嗣の都市居住別居などを要因に、境外仏を菩提寺などに収め、「祭りじまいお堂じまい」を行うことが最近発生しています。本日も、弊寺から3㎞ほど離れた阿彌陀堂が老朽化と祭り(祀り)の存続の困難なことから、ご本尊を弊寺にてお預かりし、仏堂を近い将来取り壊すとのことで、お堂の性根抜を勤修いたしました。貧しい中から財を募り立派な堂宇を建立した先人の思いと、存続を止めた信者さんのつらさを思うと、なんとも割り切れないのが偽らざるところですが、時代の流れ故いたしかたないのでしょうね。やがて、弊寺もお堂じまいをすることもあるかと思うと、ムラの消滅が早いかテラの消滅が早いか、憂慮すべき時代がすぐそこにあるようです。
ちなみに、本尊阿彌陀如来は大同4年(809年)高僧徳一の作だそうです